7月豪雨災害に被災された皆様へ

7月初めに西日本を襲った豪雨によって広島県内でも大きな被害が発生し、108人もの尊い命が奪われました。お亡くなりになった皆様に衷心より哀悼の意を表しますとともに、被災された皆様に心からお見舞いを申し上げます。

2014年9月本会議質疑

2014年9月本会議質疑
手話言語条例の制定を 現行の手話通訳者派遣事業は、隣町の病院へ行くときなどは自由に利用できません。市町村によって対応が異なるからです。広島県が手話言語条例を定めれば、問題は解消されます。本会議では制定に向けて検討を強く求めました。

1 防災対策と被災者支援について

(1) 宅地開発や住宅建設に関する対策について
(問)
今回の災害で住宅が押しつぶされ,多くの人命が失われた地域は,過去に発生した土石流が堆積して作られた扇状地の最も高い場所に位置している。つまり,土石流によって大きな被害を受ける可能性が高い場所であるということである。
今回の場合,土石流が発生した直接的な原因は短時間に猛烈な雨が降ったことではあるが,このような危険な場所で宅地開発や住宅建築がなされてきたことが大きな人的被害につながったという側面も否定することはできない。
そこで,宅地開発や住宅建設に関して,行政としてどのような対応をしてきたのか,また,今後どのような対策をとるのか,都市技術審議官に伺う。
(答)
宅地開発や住宅建設につきましては,従前から,都市計画法や建築基準法などにより急傾斜地崩壊危険区域などの災害危険区域においては,一定の制限を課してまいりました。
土石流災害への対策につきましては,平成13年の土砂災害防止法の制定に併せ,「土砂災害特別警戒区域」における宅地開発や住宅建設について,土石流から人命を守るための防護壁などの対策工事や土石流に耐える構造の建物を,開発事業者や建築主へ求めてまいりました。
今後は,土砂災害特別警戒区域の指定を加速し,開発事業者や建築主による安全対策を促進するとともに,区域指定前の基礎調査結果が公表された段階で,申請者への周知やアドバイスを行うことができるよう,関係市町や民間関係団体と連携しながら,安全な宅地や住宅が供給されるよう努めてまいります。
さらに,「広島県『みんなで減災』県民総ぐるみ運動」などを通じて,宅地や住宅の購入者などが,危険箇所などの情報を得ることができる環境づくりにも努めてまいります。
(2) 広島市の避難勧告と避難所の設置が遅れたことについて
(問)
今回の災害時に広島市が避難勧告を出したのは,住宅地に土石流が押し寄せ,犠牲者が出た後のことだった。また,その時点では,避難所の一部は開設されていなかったとのことである。
20日午前1時15分には広島地方気象台と県が土砂災害警戒情報を発表し,大雨洪水警報は前日の19日に出されていたと思うが,広島市の避難勧告と避難所の設置がこれほど遅れてしまったことについて,県はどのように受けとめているのか,また,今回の事態を教訓として今後,市町に対してどのような助言をしようと考えているのか,併せて危機管理監に伺う。
(答)
県では,台風の襲来や梅雨前線の影響による大雨などにより,災害が発生する危険性が予見された場合には,
・ 住民に自主避難を促すことや
・ 早めの避難勧告を発令することが,
重要であるとの認識の下,これまでも,市町に対しまして,注意喚起を行うとともに,周知徹底を図ってきたところでございます。
一方,広島市においては,国が改定した「避難勧告等の判断・伝達マニュアル作成ガイドライン」を踏まえ,「避難対策等検討会議」を設置し,
・ 避難が夜間・早朝になると想定される場合の避難勧告等の判断基準の設定
・ 災害種別ごとの避難勧告等判断基準の見直し
などについて,検討を始められていたところでございます。
そうした中で発生した大規模災害時における避難勧告の発令時期や,避難場所の開設などの対応について検証するため,広島市は,「避難対策等検証部会」を設置し,検討を進めており,その部会に,県も委員として参画しているところでございます。
県といたしましては,市町に対し,これまで行ってきた「早めの避難勧告の発令などの注意喚起」に加え,部会での検証や見直し内容なども参考にしながら,今一度,
・ 避難勧告等に関する基準
・ 災害時の各種対応マニュアル
などを総点検し,必要に応じて見直しを行うよう,強く働き掛けを行ってまいりたいと考えております。
(3) 被災者の生活再建支援の強化について
(問)
今回の災害では,多くの住宅が被害を受けた。被害者には,被災者生活再建支援法による支援金のほか,県及び広島市からの見舞金と義援金が支払われるとのことだが,全壊あるいは流出した場合でも,支援金などの合計額は,現在のところ370万円が上限である。
そこで,見舞金の増額や新たな補助金の創設など,県独自の支援を強化すべきであると思うが,健康福祉局長に所見を伺う。
(答)
災害による住宅被害への支援につきましては,財産である住宅をお持ちではない方との公平性を図る観点から,民間保険の活用を促進しやすい環境を整えつつ,財政支出による支援はそれを補完することが適切であると考えております。
そのため,現在の制度に基づく給付金や善意に基づく義援金を迅速かつ柔軟に被災者の方々にお届けすることとしておりますが,さらに,今回の災害を踏まえ,水害による住宅被害を保障する保険の保険料控除を国に提案することなども,検討したいと考えております。
お尋ねの,県独自の支援策の強化につきましては,被災された皆様それぞれの生活再建が本格化していくなかで,どのような支援が効果的なのか,広島市など関係者とも協議しながら検討してまいりたいと考えております。

2 手話言語条例の制定について

(1) 手話による意思疎通の手段の習得のための施策について
(問)
聴覚障害者は昔から,手話を使ってコミュニケーションをとってきたが,法的には言語として認められず,ろう学校でも長い間,使用が禁止されていた。そのため手話はなかなか普及せず,聴覚障害者は様々な場面で困難に遭遇したり,不利益を蒙ってきた。
このような歴史と現実を踏まえて,衆参両院は,3年前の障害者基本法の一部改正に際して「手話は言語であり,その習得を図るために必要な施策を講ずること」という趣旨を盛り込んだ附帯決議を行った。
県はこの附帯決議をどのように受けとめ,どのような施策に反映してきたのか,健康福祉局長に伺う。
(答)
衆参両院における附帯決議につきましては,意思疎通に困難のある方々に,手話を含む意思疎通の手段を確保し,誰もが暮らしやすい共生社会の実現を目指そうとするものであると受け止めております。
本県におきましては,障害者基本法の改正を踏まえまして,手話通訳者の養成をさらに充実し,広域的あるいは専門的な会議などへ派遣しており,市町で養成された手話奉仕員との役割分担の下,コミュニケーション手段の確保に努めております。
また,今後も,平成26年3月に策定をいたしました広島県障害者プランを踏まえながら,聴覚障害者の意思疎通を図るための施策について,検討をしてまいります。
(2) 特別支援学校における手話教育について
(問)
我が国では長い間,ろう学校における教育は口話法で行われてきた。しかし,相手の口の形を読み取って話の内容を理解することは極めて難しいため,子供たちの様々な能力の発達に重大な影響を及ぼしてきた。そのため,特別支援学校で手話教育を実施してほしいというのが,当事者の切実な願いであった。
県内の特別支援学校ではどのように指導されているのか,教育長に伺う。
(答)
特別支援学校学習指導要領におきましては,手話は,聴覚障害教育を行う上での多様なコミュニケーション手段の一つとして位置づけられております。
本県の聴覚障害特別支援学校におきましても,幼児期から手話などを積極的に活用しており,コミュニケーションの基礎を育むよう取り組む中で,子供達は手話を自然に身に付けております。
また,小学部,中学部,高等部におきましては,各教科指導の中で,活発に意思の疎通が図れるよう,手話を活用しながら,文章を読んで意味を理解したり,自分の考えを文章で表現したりする力を育てるための指導の充実に努めております。
今後とも,学習指導要領に則り,音声,文字,手話等のコミュニケーション手段を適切に活用した教育活動により,聴覚障害を有する幼児児童生徒が自立し社会参加できるよう,一人一人のニーズに応じた指導を図ってまいります。
(3) 手話言語条例の制定について
(問)
鳥取県は昨年10月,「手話が言語であるという認識に基づき,手話の普及に関する県・市町村・県民及び事業者の責務及び役割を明らかにするとともに,手話の普及のための総合的かつ計画的な推進を図る」ことを目的とした条例を制定した。
聴覚障害者の人権が尊重され,聴覚障害がある人とない人が互いを理解し,共生していくことができる社会を築くため,我が県においても条例を制定すべきであると考えるが,知事の所見を伺う。
(答)
障害の有無にかかわらず,相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会を実現するうえで,手話を含むコミュニケーション手段の選択の機会を確保することが重要であると認識をしております。
本県におきましては,障害者基本法に基づく事業を推進するとともに,本県独自にあいサポート運動による県民への障害特性や必要な配慮について普及啓発を行っております。
手話言語条例につきましては,国や他団体の動向も踏まえながら,調査,研究してまいりたいと考えており,さらに,映像への手話の挿入など,手話の活用を推進するとともに,手話に対する理解を促進し,聴覚障害のある方に対する社会的な障壁の除去に努めてまいります。

3 個人情報保護の強化について

(1) 個人情報の漏洩による犯罪の発生の実態について
(問)
本年7月,ベネッセコーポレーションの顧客情報が大量に流出した問題から,個人情報が売買されている実態が改めて浮き彫りになった。
ベネッセの事件を報道した新聞には,特殊詐欺事件の捜査で様々な名簿を押収した全国の警察が,野放しになっている名簿の売買に危機感を強めているという記事も掲載されている。
そこで,特殊詐欺事件の犯人が,密かに売買される名簿を利用して犯行に及んでいる実態について,警察本部長に伺う。
(答)
当県警におきましても,特殊詐欺事件の捜査において,被疑者の犯行拠点から,例えば,健康食品購入者,それから訪問販売購入者などと記された様々な名簿を押収しているところでありまして,特殊詐欺の犯行グループは,こうした名簿を名簿業者等から入手するなどして,犯行に利用しているものと認識しております。
(2) 個人情報の管理に関する市町への指導について
(問)
個人情報の漏洩によって発生する問題は,特殊詐欺による被害だけではない。2年前に逗子市で発生したストーカー殺人事件では,犯人から頼まれた探偵業者が市役所で被害者の現住所を聞き出し,それを犯人に伝えていたことが明らかになった。
被害者は市役所に住民基本台帳の閲覧制限を申請しており,台帳の閲覧画面にそのことが赤い文字で表示されていたにもかかわらず,情報が流出してしまったわけである。情報管理のずさんさが殺人事件を誘発した一因になったといっても過言ではない。
そこで,個人情報の保護に関して県内の市町にどのような指導をしているのか,地域政策局長に伺う。
(答)
住民基本台帳の事務,とりわけドメスティック・バイオレンスやストーカー行為などの被害者の保護に関する取扱いについては,極めて慎重な対応が必要であります。
このため,国において,平成16年に,ストーカー行為の加害者からの閲覧請求を拒否するなど,関係省令の改正が行われ,さらに,平成19年には,請求者の制限及び本人確認の厳格化などの法改正が行われました。
しかしながら,住民基本台帳事務において,こうした要因,つまり,
・ 一つは,関係部局間での被害者支援情報の共有の不足
・ また,写真入り身分証明書による本人確認の未実施
・ さらには,システム画面の警告表示の見落とし
など,職員の事務処理の誤りにより,被害者の住所の情報が加害者に漏れてしまう事案が,全国で発生しております。
県といたしましては,こうした事案の発生原因を踏まえて,
・ 一つは,住民基本台帳事務担当部署と福祉や税などの関係部署との情報連携の強化,
・ 加えて,チェック体制強化のための総括責任者の設置,
・ また,その総括責任者のみが警告表示を解除できるシステムの設定
など,新たな強化策を講じるよう,国の通知に基づき,本年6月,さらに今月の12日に重ねて市町に対し通知を行い,その取組が進められるよう指導・助言を行っているところでございます。
(3) 名簿等の売買に関する法規制への働きかけについて
(問)
ベネッセの事件で流出した情報は,犯人から複数の名簿業者を通じて,通信教育事業を手がけている会社に渡ったことが明らかになっている。また,特殊詐欺事件の犯人が所持していた名簿も,名簿業者を通じて手に入れた可能性が極めて高いと考えられる。
このような事態が発生する背景には,情報を盗み取る行為でなければ違法としない法の不備がある。
そこで,個人情報保護法に名簿の売買禁止を明記した改正を行うよう政府や国会に働きかけるべきだと思うが,総務局長に所見を伺う。
(答)
名簿業者によりまして販売をされた個人情報が,詐欺などの犯罪行為に利用されることや,不適切な勧誘等による消費者被害を助長することなどにつきましては,社会的な問題として指摘をされているところでございます。
現在,国におきましては,個人情報保護法の改正の検討を行っておりますが,その中で,名簿の不適切な売買による犯罪行為や消費者被害の発生と,被害の拡大を防止するための措置についても,検討を進めているところと聞いております。
本県といたしましては,個人情報保護制度につきまして,事業者や県民の方々に啓発・周知するとともに,当面,こうした国の法改正の動向を注視してまいりたいと考えております。

4 差別解消の取組について

(1) 差別行為の現実と人権意識の低さ等に対する認識について
(問)
数年前から「在日特権を許さない市民の会」なる団体が,民族差別や部落差別を扇動するという卑劣な行動を続けている。Jリーグの試合では,ジャパニーズオンリーと書いた横断幕を掲げたり,黒人選手を侮辱するサポーターも出てきた。
さらに,東京都議会では,本会議場で女性蔑視の野次を飛ばす議員が現れ,本年8月には,札幌市議会議員が「アイヌなんてもういない」とツイッターに書き込むなど,人権感覚を疑う事態が次々と発生している。
私は,憲法で保障された表現の自由とは,他者の人権を侵害する言動まで許したものではないと考えているが,環境県民局長に所見を伺う。また,このような事態が発生する背景についてどのように認識しているのか,併せて伺う。
(答)
「人権」は,人として,誰もが生まれながらにして持っている固有の権利でございますが,社会を構成するすべての人々が,幸福に生きるために,欠かすことのできない権利でございます。
「表現の自由」につきましても,憲法で保障された大切な権利の一つではありますが,他者の人権を侵してまで無制限に認められるものではなく,個々の事象に即して適切に判断していくことが重要であると考えております。
また,人権感覚を疑うような事態が発生する背景には,急激な国際化や少子高齢化,高度情報化の進展による社会環境や社会生活における大きな変化が,人々の間で他人との共生・共感の気持ちを薄れさせていることや,かねてから指摘される日本社会に見られる同質性や均一性を重視しがちな風潮など,様々な要因があるものと考えております。
(2) 部落地名総鑑の存在と販売行為等に対する認識について
(問)
かつて,同和地区の所在地を記載した「部落地名総鑑」なる差別図書が密かに売買され,採用選考の際の身元調査などに使用していたという事実があるが,今月の9日,福山市民から市役所に寄せられた情報によって,部落地名一覧という冊子がインターネットのオークションに出されていることが判明した。また,インターネット上の掲示板には,同和地区の所在地を列挙して差別を煽り立てる書き込みも氾濫している。
このような現実について環境県民局長はどのように認識され,どのような問題意識を持っているのか伺う。併せて,7月2日の中国新聞が報道した「部落地名総鑑を売買したり,所持しているだけでは人権侵害にあたらない」という広島法務局職員の発言についてもどのような認識を持っているのか,所見を伺う。
(答)
「部落地名総鑑」は,同和地区住民の就職における公正な採用選考を妨げ,さらには,様々な差別を助長する極めて悪質な冊子であり,その存在自体に大きな問題があると認識しております。
こうした差別情報をインターネットを使って,広く社会に発信し,差別を煽りたてる行為につきましても,同様に重大な問題であり,人権意識を高めていく必要があると考えております。
また,「部落地名総鑑」は,身元調査以外の目的は考えられないことから,売買や所持は,それ自体が,差別を助長する行為であると認識しております。
(3) 差別の解消に向けた取組等について
(問)
埼玉県で先月,何者かが盲導犬を刺した事件,今月8日には全盲の女子高校生が足を蹴られて3週間の怪我をするという事件が発生した。
このような現状を見るとき,他者の人権を踏みにじる行為は,私たちの身の回りで毎日のように発生していると考えなくてはならない。
国会で「あらゆる形態の人種差別禁止条約」への加入を決定した際,悪質な差別の禁止をうたった第4条を留保したことがあり,留保を解くよう政府に働きかけるべきだと思うが環境県民局長に所見を伺う。
また,あらゆる差別を許さない,人権尊重の社会を実現するための施策をどのように進めているのか伺う。
(答)
県におきましては,人権尊重の意識を高め,互いに人として尊重し合い,だれもがいきいきと生活できる社会づくりの実現に向けて,県民参加型の啓発活動として,「ヒューマンフェスタ」の開催,市町や民間企業の指導者の養成として,「人権啓発指導者養成研修会」の開催,県職員への研修として,研修センターや職場での人権研修の実施などを行っているところでございます。
これらの取組を通じて,人権への配慮が,自然に態度や行動に現われてくるような人権感覚を育むことができるよう,今後とも,粘り強く人権啓発活動に取り組んでまいります。
また,いわゆる人種差別撤廃条約の第4条につきましては,「表現の自由」などとの関連から留保されていると認識いたしておりますが,現在,国におきましては,ヘイトスピーチへの対策を,総理が与党に指示したとの報道もあり,県といたしましては,国の動向を見守ってまいりたいと考えております。

5 子どもの貧困対策について

(1) 貧困の連鎖に関する認識と対策について
(問)
厚生労働省の国民生活基礎調査では2012年,17歳以下の子どもの貧困率は過去最悪の16.3%となった。少子化による人口減少が始まっている今日,子どもの貧困率が上昇し続けていることは我が国の将来にとって極めて深刻な事態であり,早急に対策を講じる必要がある。そのため,先ごろ政府が策定した「子供の貧困対策に関する大綱」の冒頭には「子どもの将来が生まれ育った環境によって左右されないことと併せて,貧困が世代を超えて連鎖することがないようにする」ことが明記された。
貧困の連鎖とは,親の貧困が原因で進学や就職の選択肢が狭められた子どもは安定した収入を得ることができず,その子どもの世代でもまた貧困が繰り返されていく負の連鎖のことであり,これを断ち切ることが強く求められている。
そこで,本県における貧困の連鎖の現状をどのように認識し,どんな対策を講じているのか,健康福祉局長に伺う。
(答)
「子供の貧困対策に関する大綱」にも明記されておりますとおり,子どもたちの成育環境を整備し,教育を受ける機会の均等を図り,保護者への就労支援など,子どもの貧困対策を総合的に推進することにより,貧困の連鎖を断ち切ることが,重要な課題であると認識しております。
国の大綱で約55%が貧困とされている,ひとり親家庭については,県が本年度実施した調査結果によりますと,大学等進学率は35.5%と,県全体の進学率と比較して22.7ポイントの開きが生じており,こうした格差が就業の機会にも影響して,経済的較差にもつながっているのではないかと考えております。
現状の取組としては,「こども夢プラン」や「広島県子ども・若者計画」に基づいて,低所得者等に対しまして,
・ 県社会福祉協議会が行う生活資金等の貸付
・ 私立高等学校等の授業料の減免
・ 乳幼児の医療費助成
などの経済的な負担軽減を図っているところでございます。
また,経済的に厳しい状況にある家庭が多いひとり親家庭に対しましては,
・ 職業紹介や就業相談などの求職活動支援
・ 母子福祉資金の貸付
・ ひとり親家庭の医療費助成
などの支援を行っております。
(2) 貧困が成長発達や進路に及ぼす影響等について
(問)
文部科学白書では,全国学力学習状況調査の結果について,就学援助を受けている子供の割合が高い学校は,それが低い学校より平均正答率が低い傾向があり,年収が高い世帯の子供ほど正答率が高い傾向が見られると報告されている。
2012年度,県内の市町立学校の小中学生のうち50,046人,全体の22.3%が就学援助を受けているが,この子供たちの学力や進路がどうなっているのか,大変心配している。
そこで,どのような実態にあるのか,教育長に伺う。また,白書のような状況であればどのような支援をしているのか,併せて伺う。
(答)
就学援助を受けている児童生徒一人一人の学力や進路の状況につきましては,把握はしておりませんが,全国学力・学習状況調査におきましては,就学援助を受けている児童生徒の割合が高い学校は,その割合が低い学校よりも平均正答率が低い傾向であるとされているところでございます。
また,家庭の経済力が学力に及ぼす影響につきましては,就学援助を受けている児童生徒の割合が高い学校の中にも,平均正答率が高い学校も存在するなどばらつきがあり,家庭の経済力のみが影響しているとは言えず,
・ 学校や社会のルールを守ることなどの規範意識が低いことや
・ 家庭におけるゲームやテレビの時間が多いなどの基本的な生活習慣が身に付いていないことなど,
様々なことが学力に影響を及ぼしているものと考えております。
こうしたことから,教育委員会におきましては,学力の定着の不十分な児童生徒に対して,習熟度に応じたきめ細かな授業などの取組を支援するとともに,家庭教育支援アドバイザーを配置し,基本的な生活習慣や家庭における学習習慣の定着を図る取組を行っているところでございます。
(3) 低所得層の子供を対象とした給付制の奨学金の創設について
(問)
文部科学白書が示しているように,家庭の経済力によって子供の進路,特に高等教育への進学率には大きな格差が生じている。少ない所得では高額な教育費の負担に耐えられないことが最大の原因だが,家庭の状況を考えると大学進学は望むべくもないと,義務教育の段階から子供たちの学びの意欲を削いでしまうという問題もある。
そこで,低所得層の子供を対象に,給付制の奨学金を創設すべきであると考えるが,教育長に所見を伺う。
(答)
今年度の高等学校入学生からは,国の補助事業を活用して広島県高校生等奨学給付金事業を創設し,低所得世帯の教育に係る経済的負担の軽減を図っているところでございます。
教育委員会といたしましては,現在,国においてこの制度の拡充が検討されていることもあり,国の動向を注視してまいりたいと考えております。

6 いじめ防止基本方針について

(1) いじめが発生する原因等について
(問)
教育委員会が策定した方針には,いじめは「どの子供にも,どの学校でも,起こりうるという認識に立ち,いじめを許さない集団づくりを通して未然防止を図るとともに,いじめのサインを早期に発見し,早期に対応する」という大切な視点が示されている。
しかし,なぜいじめが発生するのか,なぜ気付きにくいのかという点についてはほとんど言及されていない。私は,この点についての認識を教職員の間で共有することができなければ,的確な指導はできないと考えている。
そこで,なぜいじめが発生するのか,なぜ気付きにくいのか,この2点についてどのように考えているのか,教育長に伺う。
(答)
児童生徒がいじめを行う原因といたしましては,
・ 心理的ストレス
・ 集団内の異質な者への嫌悪感情
・ ねたみや嫉妬感情
・ 遊び感覚やふざけ意識
・ いじめの被害者となることへの回避感情
などが挙げられます。
こうしたいじめは,大人の目の届きにくい時間や場所で行われたり,遊びやふざけあいを装って行われたりするなど,大人が気付きにくく判断しにくい形で行われることが多いと考えております。
(2) いじめを防止する取組について
(問)
他者の人権を侵害する行為は許されないということを否定する人はいないが,先に具体的な事実を示したように,現実的には差別や人権侵害が発生している。
いじめも同じである。子供たちは,いじめは悪いことであると分かっているが,やはり起こってしまう。したがって,悪いことだという建前だけでは,未然防止も,発生した場合の指導も的を射たものにはならない。
私は,いじめ防止の取組で最も大切なことは,何がいじめなのかということに気付く力を育てること,人権教育を充実することだと考えている。
そこで,気付く力をどのように育てていこうと考えているのか,教育長に伺う。
(答)
いじめを未然防止するためには,どのような行為がいじめに当たるのか,いじめられた児童生徒にどのような影響を与えるのか,いじめはどのような構造なのかなど,いじめについて正しく理解させるとともに,社会体験や生活体験の機会を設け,児童生徒の人間性や社会性を育み,豊かな情操を培うことが大切であると認識いたしております。
このため,道徳教育においては,いじめを解決するために自分達は何ができるかを具体的に考えさせることにより,いじめを行わないだけでなく,いじめの傍観者にもならない思いやりのある心を育てているところでございます。
また,体験活動においては,仲間と協力しながらやりきることや地域の方々との交流などを通して,周囲の人を思いやり,相手の立場や気持ちを考えて行動する力が身に付くよう取り組んでおります。
こうした取組が,子供たちのいじめに気付く力を育てることにつながるものと考えております。
今後とも,児童生徒の抱える不安や悩みを迅速に把握・共有し,児童生徒の心に寄り添った指導を行うよう,取組を進めてまいります。
(3) いじめ防止の取組の実効性を上げるための業務改善の推進について
(問)
昨年の2月定例会における私の質問に対して,教育長は,家庭訪問は学校における指導を補完するために大切な取組であると答弁された。これは,子供たちが見せる様々な表情や行動の背景を教職員がきちんと掴むことによってはじめて,的確な指導ができるという教育実践の原則を踏まえて述べたものだと思うが,これは,いじめを防止するとともに,発生したときに的確な対応をするためにも重要な視点である。
そうであれば,先生と子供たちが触れ合う時間がしっかり確保できる学校体制を作ることが不可欠である。
そこで,実効が上がる業務改善を進めるためには今後,どのような取組が必要だと考えているのか,教育長に伺う。
(答)
これまでの業務改善の取組によりまして,例えば,会議が精選されて「子供と向き合う時間」が増えたとの意見を学校から聞くなど,一定の改善はみられるものの,大幅な改善までには至っていないものと認識いたしております。
このため,今年度は引き続き,各学校の自律的な取組を支援するとともに,新たに民間の経営コンサルタントに委託し,外部の視点から改めて学校の現状把握を行い,課題等の洗い出しや改善策の検討などを行っているところでございます。
今後は,モデル校において実施可能な改善策から順次,試行していくとともに,中長期的に取り組むべき改善策についても,検討を進めてまいりたいと考えております。
広島県議会議員 山下 ますみ
福山市選挙区広島県議会議員 山下 真澄 (やました ますみ)
hiroshimakengikai@yamashita-masumi.com
選挙区 福山市
会派 広島県議会民主県政会
期数 2
生年月日 昭和24年9月19日
常任委員会 総務委員会
特別委員会 少子化・次世代育成対策特別委員会
山下ますみ 一問一答
後援会の案内
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広島県議会
福山市
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