福山市選挙区広島県議会議員 山下ますみのホームページ

7月豪雨災害に被災された皆様へ

7月初めに西日本を襲った豪雨によって広島県内でも大きな被害が発生し、108人もの尊い命が奪われました。お亡くなりになった皆様に衷心より哀悼の意を表しますとともに、被災された皆様に心からお見舞いを申し上げます。

2018年12月定例会 一般質問

2018年12月定例会 一般質問
鞆町のまちづくりと電話のバリアフリー化を 鞆町のまちづくりに関しては、トンネルのルートを早急に決定し、早期に着工すること、海の駅構想と平地区における避難場所について具体的な取り組みを開始することを求めた。
電話のバリアフリー化については、手話フォンの設置やリレーサービスの実現に向けて取り組むことを提案した。

2018年12月定例会 一般質問
答弁実録

 

民主県政会の山下ますみでございます。今次定例会で、今期最後の質問の機会をいただきました。議長、副議長、そして、同僚議員の皆さんに感謝を申し上げます。

さて、「誰も置いてきぼりにしない」、これが湯崎県政3期目のスローガンであります。これを着実に実行していくには社会のあらゆる問題を人権の視点で分析し、すべての施策を人権の視点で構築していくことが必要であります。そのためには、知事が言われるように「県民目線」に立って判断すること、言葉を変えれば、当事者の思いや願いをきちんと受け止めて対応することが重要であります。

そこで、本日は、県民のいのちと暮らしと人権を守る県政を実現するための課題についてお尋ねいたしますので、明快なご答弁をいただきますようにお願いし、質問席へ移ります。
 

1.住民の要望を踏まえた鞆町のまちづくりについて

(1) 山側トンネルのルート選定と工事着工の見通しについて

最初の質問は、住民の要望を踏まえた鞆町のまちづくりについて知事にお尋ねします。

まず、山側トンネルの問題です。県は来週16日から町内3会場で説明会を開催し、ルート案について説明するとのことですが、本年6月の説明会では、早期着工と具体的なスケジュールの提示を求めた住民に対して「事業化するかどうかを判断する時期は未定である」旨、回答をしたと聞いています。

しかし、埋立架橋から山側トンネル案を含む総合対策へと方針転換をしたのは県であり、あれから6年が経過した今、このような回答をするのはあまりにも無責任だと言わざるを得ません。そこで、ルート案をいつまでに決定し、いつの時点で工事に着手しようと考えておられるのか、お尋ねいたします。

【知事答弁】
山側トンネルにつきましては、町中の交通量を減らすバイパス機能として、有効であると考えており、これまで、事業効果等について、鞆町の住民の皆様へ御説明し、意見交換を行ってまいりました。

平成30年1月に行いました説明会を経て、福山市長及び地元町内会から山側トンネルに関し、 具体的な事業内容を示し、協議を求める要望書が提出されたことを踏まえまして、今年度、交通量調査など山側トンネルの検討に向けた各種調査を進めてきたところであります。

この調査結果を踏まえ、今月予定しております住民説明会におきまして、山側トンネルのルートに係る検討結果について御説明し、住民の皆様の御意見をお伺いすることとしております。

その上で、福山市とも連携・協力し、出来るだけ早い時期に、まずは、ルートの考え方も含めた山側トンネルの方向性を決定し、住民の皆様にお示ししたいと考えているところであります。
 

(2)山側トンネルに係るスケジュールの提示時期について

県が埋立架橋案を提示してからすでに35年が経過しています。この間、平地区では架橋建設を前提とした県道バイパスは建設されましたけれども、そのほかのまちづくり事業は何ひとつ実施されていません。そのため、住民は「今のようなペースではトンネルもいつ完成するのかわからん。その間に人口はますます減少し、まちが廃れてしまう」と危機感をもっておられるわけでございます。この場でスケジュールを提示できないのであれば、いつごろそのスケジュールを提示できるのか、もう一度、お尋ねいたします。

【知事答弁】
まずは、今月16日から予定しております説明会を含めて、住民の皆様の御意見をお伺いしながら、福山市とも連携・協力し、出来るだけ早い時期に山側トンネルの方向性を決定したいと考えております。

その上で、その後の進め方につきましても、しっかりと調整しながら、検討してまいります。

【コメント】
今月16日からの説明会はルート案を説明されるということです。また、賛否両論があるかもしれません。それから岩盤等の調査もあるでしょうから、さらに詳しい調査をして、最終的にルート案を決めるということになると、まだ相当の年月を要するということが考えられます。2度目にお聞きした時もできるだけ早くという同じような答弁でありましたけれども、ほかの事業については期限を切ってやっているということもございますので、それこそ知事がおっしゃる通り可能な限り早い時期に提示していただきますように強くお願いをしておきたいと思います。
 

(2) 平地区における避難場所及び施設の確保と海の駅構想について

次に、平地区における避難場所及び施設の確保と海の駅構想についてお尋ねします。

災害時における鞆町住民の避難場所は鞆小学校に指定されています。しかし、平地区の最西端から約2㎞の距離がある学校へ行くには海岸沿いや山裾の狭隘な道路を通るしか方法がなく、最高水位が3.3mの津波が到来すると推定されている南海トラフ巨大地震のような災害が発生した場合、ここへ避難することは実際には困難であります。

そのため、住民は平地区における避難場所と施設の確保を強く願っており、県も6月の説明会で提示した資料の中でこの問題に触れていますが、実現に向けた行程はまったく示していません。そこで、どのような行程で実現しようと考えておられるのか、お尋ねいたします。

海の駅構想についても同様で、どのようなスケジュールで構想を具体化し、いつごろ建設に着手するのかという道筋が示されていません。これもまた、完成までには相当時間を要するということは私もよくわかりますけれども、県そして福山市、関係住民で構成する検討会議を早急に設置し、構想を具体化するための協議を開始すべきだと考えますが、併せて知事のご所見をお尋ねいたします。

【知事答弁】
鞆のまちづくりを実現していく上で、「山側トンネル」を除く生活利便性を確保する手段として、

  • 護岸整備による高潮対策の実施や、
  • 駐車場やバス転回場・海の駅の整備、
  • また、防災拠点の確保

など、必要と考えられる8つの取組を提示をさせていただいているところでございます。

その上で、住民の皆様とも協議を重ねながら、これまで、喫緊の課題であります「高潮対策」や「町中交通処理対策」について、着実に進めてきたところでございます。

引き続き、これらの事業進捗を図りながら、平地区を含む鞆町内の防災拠点の確保や観光交流拠点となる海の駅についても、福山市と緊密に連携し、地元の皆様の御意見を聞きながら今後、具体化に向けた検討を進めたいと考えております。

本県といたしましては、今後とも福山市と連携・協力し、鞆のまちづくりの課題解決や地域振興策に、しっかりと取り組んでまいる所存でございます。

【コメント】
この問題についても、先ほどのご答弁と同じですけれども、できるだけ早くというご答弁でございました。これも、住民の不安はスケジュールが示されていないことです。現在、工事が進んでいる雁木修復、防潮板設置、電線地中化、これらは具体的に工事も進んでおりますし、いつまでに完成するということははっきり示しておられます。さらに、これからでありますけれども江之浦、焚場間の防潮堤設置についても年次ごとの目標が示されておられます。ところが、海の駅構想も平地区の避難場所・避難施設の設置については具体的なスケジュールが全く示されておりません。鞆の事業は全体としては始まっておりますけれども、平地区においては何一つ手つかずという状況でございますから、福山市との連携もございますけれども、早急にやっていただきたい。そして具体的に協議の場の設置についても具体的な検討に入っていただきたいということを強く要請をしておきたいので、よろしくお願いします。
 

2.7月豪雨による浸水被害を踏まえた治水対策について

(1) 低平地における浸水被害を防止する対策について

質問の第2は、7月豪雨による浸水被害を踏まえた治水対策について、土木建築局長にお尋ねします。

7月豪雨の際には県内各地で浸水被害が発生し、家屋の修繕と水没した自動車や家電の買い替えなどに要した住民の負担は相当な額にのぼりました。福山市内では本郷川と吉野川の破堤、福川など28河川からの越水によって被害が発生しましたが、その主な原因は低平地を流れる中小河川の排水能力が低いことであります。

広範な地域で被害が発生しましたので、県は「今後の水害・土砂災害対策のあり方検討会」で治水対策の検討を進めてきたわけですが、福山市内の低平地における浸水被害を防止するために、どのような対策を、どのようなスケジュールで実施していこうと考えておられるのか、お尋ねいたします。

【土木建築局長答弁】
低平地における治水対策としましては、排水機場の新設や既設排水機場の機能確保などの対策のほか、関係機関が連携した一体的な流域対策を実施することが有効であると認識しております。

そのため、福山市内の瀬戸川や手城川におきましては、平成28年以降、福山市などの関係機関と連携し、「瀬戸川流域における治水対策検討会」や「手城川流域浸水対策会議」の検討結果に基づいた対策について、ロードマップに沿って取り組んできたところでございます。
こうした中、この度の7月豪雨により福山市内において大規模な浸水被害が発生したことから、国、県、市などで構成する「福山市域における浸水対策協議会」を設置し、福山市全域を対象として、低平地における浸水被害を防止するための連携強化を図っているところでございます。

現在、「あり方検討会」におきまして、福川をモデル河川とした低平地における治水対策について年内の取りまとめを目指しており、その成果も踏まえつつ排水機場の整備などの対策について、「浸水対策協議会」構成機関と連携し、可能な限りスケジュールの前倒しを図るなど、事業効果の早期発現に向けて取り組んでまいります。

【コメント】
今お答えをいただきました。検討が進んでいるということで一安心ですけれども、特に、福川に限らずどの河川もそうですが、排水ポンプの能力強化が喫緊の課題であります。これについては河川ごとに検討をされて確定されるのでしょうが、来年の出水期までには時間の関係で間に合わないと思いますけれども、ぜひ、2020年の出水期までには確実にやっていただきたいと思います。また、堆積土砂の撤去は徐々に進められていますが、まだまだ不十分です。いまのところ実施予定に入っていない箇所でも随分堆積している場所がたくさんあります。そこでお忙しいとは思いますけれども、状況をもう一度点検していただいて、そして必要な予算措置をして、少なくともこの土砂の堆積については来年の出水期までには確実に実施していただきたいと要望をしておきたいと思います。
 

(2) 今後の治水対策に係る住民説明会の開催について

次に、今後の治水対策に係る住民説明会の開催についてお尋ねします。

7月豪雨で742棟の家屋が浸水した福山市山手町を訪ねると、多くの住民から「2年前にも被害が出たのに県は今まで何もせんかった。今回のことは人災じゃ」と非常に強い指摘を受けました。また「被害に遭うてから5カ月が来るのに、福川の治水対策をどうするんかという説明が地元にはまったくない。そのため住民の間に不安が拡がり、もうここには住めんと言う人や他の町への移転を考えている事業者がたくさんおる」という話も聞きました。

そこで、すべての被災地において早急に住民説明会を開催し、7月豪雨のような災害にも耐えうる治水対策を示すことによって、現時点では県に対する不信もございますから、これらを取り除く必要があると考えますが、ご所見をお尋ねいたします。

【土木建築局長答弁】
被災地域におきましては、被災要因やその対策について住民の皆様にご理解をいただくとともに、その後の事業実施にご協力をいただくことが重要であると認識しており、これまでも、大規模な浸水被害が発生した場合などには、住民説明会を実施するなど、丁寧な情報発信に努めてきたところでございます。

福山地域におきましては、平成28年に瀬戸川流域で浸水被害が発生した際には、平成29年1月に各地区の地元代表者の方々へ治水対策の概要とその進め方について、説明を行ったところでございます。

また、平成29年に浸水被害が発生した手城川流域につきましても同様に、本年2月に説明を行っております。

こうした中、この度の7月豪雨により県全域で甚大な被害が発生したことから、現在、学識者等からなる「あり方検討会」で治水対策に関するとりまとめを行っているところであり、その結果も踏まえながら具体的な対策について検討を行い、まとまり次第、関係市町とも連携しながら住民説明会を行うとともに、県ホームページで情報を発信するなど、丁寧な対応に努めてまいります。

(3)「あり方検討会」のとりまとめの時期について

検討会の結果がまとまり次第ということでございましたけれども、それの目途は判りますでしょうか。およその目途で結構です。

【土木建築局長答弁】
検討会のまとめというのは、現在、年内の取りまとめということで学識者の方々とも連携をさせていただいておるところでございます。

【コメント】
となると、年明けなるべく早い時期にということで理解してよろしいんだと思いますので、地元にもお伝えしておきたいと思います。
 

3.障がい者差別の解消に向けた取り組みについて

(1) 県庁正面玄関横の車いす用スロープの問題点について

質問の第3は、障がい者差別の解消に向けた県の取り組みについてお尋ねします。

まず、県庁正面玄関右に設置された車いす用スロープの問題です。これは、従来からあった左側のスロープに屋根がないため、「雨の日には困る」という県民からの指摘に応えて設置されたものですが、ひさしがスロープの真上までしかなく、雨を避けることはほとんどできません。

2017年の2月定例会において「障がい者施策の推進にあたっては当事者の考えを把握し、当事者に寄り添う気持ちで取り組むことが重要である」と健康福祉局長が述べられたことが実行されなかったわけであります。

そこで、早急に改善するとともに、健康福祉局と連携し、障がい者に対する合理的配慮の提供など県がとるべき対応について、あらためて庁内に徹底すべきだと思いますが、総務局長のご所見をお尋ねいたします。

【総務局長答弁】
障害者施策の推進に当たりましては、障害のある方々が、どのような状況にあり、そして、どのような考え方をお持ちなのかを把握するとともに、常に、障害のある方々に寄り添う気持ちを持って、取り組んでいくことが重要であると認識しております。このため、県ではこれまで、初任研修や管理職研修など、職位に応じた研修の中で障害者差別解消法を含む人権問題を取り扱っているほか、職場や担当業務における人権尊重の視点を養うための「人権問題職場研修」を各所属において開催しているところでございます。

県といたしましては、引き続き、こうした研修の場などを活用し、障害者への不当な差別的取扱の禁止や、合理的配慮の提供などについて、職員の意識の醸成と徹底に努めてまいります。

また、今後予定している本庁舎の耐震改修においては、合わせて、多目的トイレの整備やスライドドアへの切替えなど、環境改善を図ることとしております。

御指摘の県庁正面玄関横の車椅子用スロープにつきましては、障害者差別解消法の施行を受け、健康福祉局とも協議の上、建築基準法への適合も踏まえ、既存のひさしを利用した雨よけや、福祉車両の停車・乗降スペースの確保の観点から、場所を決定し、平成29年3月に設置したものでございます。

このスロープは、本庁舎の耐震改修工事期間中は、いったん、移設が必要となることが見込まれますが、その際には、できる限りの配慮に努めるとともに、耐震改修工事が終了した後の形については、利用者の方々の利便性に配慮した上で、改めて、設置場所など、検討を行いたいと考えております。

【コメント】
改めて耐震工事の後に検討するということでしたけれども、私は今のスロープができた直後に状況を見て、これは雨に濡れるだろうなと思いました、先週木曜日にもあまり強くない雨が降っていたので改めて確認するとスロープは全部濡れておりました。ですから、雨天時に車いすの人は使えないという状況だろうと思います。時期はなかなか難しいかもわかりませんですけれども、これはきちんと抜本的な改善をしなければならないと思いますから、そのことを強く要望したいと思います。
 

(2) 電話のバリアフリー化を進める取り組みについて

次に、電話のバリアフリー化を進める取り組みについて健康福祉局長にお尋ねします。

10月に調査で訪れた福岡空港に「手話フォン」が設置されていました。手話フォンは電話ボックス内にモニター画面があり、利用者が電話をかけると手話のできるオペレーターが画面に登場し、利用者が手話で用件を伝えるとオペレーターが通話先と音声でやり取りして、その内容を手話で通訳してくれるという仕組みで、午前8時から午後9時まで無料で利用できるそうです。

電話のバリアフリー化については、手話フォンの他にもパソコンやスマートフォンを利用するリレーサービスという仕組みがあり、11府県と1政令市で、聴覚障がい者センターに待機しているオペレーターが聴覚障がい者と通話相手をつなぐサービスがおこなわれています。 そこで、県が主導し、いずれかの方法で電話のバリアフリー化を進める取り組みをしていただきたいと思いますが、ご所見をお尋ねいたします。

【健康福祉局長答弁】
電話のバリアフリー化は、聴覚障害がある方や言語障害のある方にとって、コミュニケーションの機会を確保する重要な公共インフラであると認識しております。

実施方法につきましては、聴覚障害者センターにおける電話リレーサービスが有効であると考えておりますけれども、オペレーターとなる手話通訳者の人材の確保、及びサービス提供に係る費用などの課題があるため、今後、検討を進めていきたいと考えております。

【コメント】
今後検討するということですので一定程度前向きだとは思いますけれども、手話フォンは日本財団が設置を進めているとお聞きしています。日本財団に強く要請をしていただきたいと思いますし、県が費用を負担すれば少し早く進むのではないかということも考えられますので、いろんな工夫をしていただいて、ぜひ、来年度末くらいにはこういう方向が見えたというと取り組みをしていただきたいと思いますので、よろしくお願いをしたいと思います。
 

(3) 障がいの種別を問わない県職員の採用選考について

次に、障がいの種別を問わない県職員の採用選考について、総務局長にお尋ねします。

障がい者雇用促進法では、事業主は進んで障がい者の雇用に努めなければならないと規定されており、その対象には身体障がい者だけでなく、精神障がい者・知的障がい者も含まれています。また、厚生労働省が2016年8月、地方公務員の採用については身体障がい者に限らず、他の障がい種別の障がい者にも門戸を開くよう通知を出したにもかかわらず、本県を含む35道府県が身体障がい者に限定した募集をおこなっていることが明らかになったところです。

県は、今年度の採用試験でも身体障がい者に限定した募集をおこないました。行政機関が法の趣旨に沿わない行為を続けるとは言語道断であり、県民とりわけ障がい者に対する背信行為であると言わざるを得ません。

そこで、今後おこなう採用選考では障がいの種別を限定しないことを明言すべきだと考えますが、ご所見をお尋ねいたします。

【総務局長答弁】
障害者の雇用を促進するためには、障害者の適性に応じ、職場において、その能力を十分に発揮できる環境を整えることが重要であり、御指摘のありました知的障害者、精神障害者の方につきましても、採用した場合の配置の考え方や、障害の状況に合わせた合理的配慮の在り方などについて、きめ細かく検討していく必要があると考えております。

既に身体障害以外の種別の採用選考を行っている自治体を調査したところ、知的障害者、精神障害者の方に公務に従事してもらうためには、

  • 障害の程度や特性に応じた能力を十分に発揮できる業務の洗い出しを行い、その業務内容を詳細、正確に明示する必要があること
  • 体調により業務の遂行が不安定になった場合のバックアップ体制を整える必要があること

など、様々な検討すべき項目があると伺っております。

県といたしましては、障害者雇用の促進の観点から、引き続き、身体に障害のある人を対象とした採用試験による雇用に取り組んでいくとともに、知的障害者、精神障害者の方を障害者向け採用試験の対象に含めることについて、他の自治体の事例を踏まえながら、検討してまいりたいと考えております。

【コメント】
障がい者を雇用するにあたっては、1人ひとりの障がいの状況に応じた仕事の内容と働きやすい職場環境を整えるというのはまさにその通りであります。しかし準備ができていないことを理由にして採用選考から除外するのは理屈としては筋が通りません。仕事の中身と職場環境を準備すべきであるなら、それを準備することが責任であると思いますから、先進的な取り組みをしている自治体はいくつもあるわけですから、その状況をつかんでいただいて、可能な限り来年度の採用選考からとりいれていただきたいと思います。即答はなかなか難しいと思いますから、今日はこの程度で止めますけれども、そのことを要望しておきます。
 
4.3歳以上の子ども全員の就学前教育の保障について

質問の第4は、3歳以上の子ども全員の就学前教育の保障について、健康福祉局長にお尋ねします。

国は来年10月から、幼稚園・保育所・認定こども園等を利用する3歳以上の幼児の利用料を無償化することを決定しました。これをめぐって、必要な予算はどこが負担するのかという問題と待機児童が増えるのではないかという懸念から、国と自治体で意見の相違があると聞きますが、いまひとつの大きな問題に係る議論が欠落しています。

それは、保育所しかない地域に住み、家庭に養育する人がいる子どもは、「保育を必要とする状態でない」とされ、就学前教育を受けることができない現行制度の問題です。

私は、3歳以上の子ども全員に就学前教育を保障すべきであり、その実現に向けて県が積極的に役割を果たすべきだと考えていますが、ご所見をお尋ねいたします。

【健康福祉局長答弁】
近年の働く女性の増加に伴い、保育ニーズが増加している状況において、幼児教育及び保育の無償化が導入されることにより、県内各地で更なる受け皿の確保が必要であると考えております。

こうした中、施設整備等による定員の増加を進めるとともに、保護者の就労を問わず、児童の受け入れを行うことができるよう、幼稚園や保育所の認定こども園への移行を進めており、現在のところ、すべての市町で幼稚園または認定こども園が整備されております。

また、お住まいの地域に保育所しかない場合、「保育を必要とする状態ではない」と認定された方が市町の判断により保育所を利用できる「特別利用保育」制度もございます。

今後も、保護者が希望する3歳以上の子供全員が就学前教育を受けることができるよう、幼児教育及び保育の受け皿の確保と質の向上に向けて、積極的に市町等を支援してまいります。

【コメント】
特別な理由で措置をすることがあるということでしたけれども、それは特別な場合であります。3歳以上の修学前の教育の保障は、無償化するわけですから、保育所に行きたくても行けないという子が一人でも出るということは大変不公平ということです。児童福祉法の問題もありますから、本来は国がきちんと対応すべき問題であります。そこで児童福祉法の改定を行って、無償化と併せて不公平とならないような対応をやっていただきたいということを県から国に積極的に提案していただきたいということをお願いをしておきたいと思います。
 

5.毎月支給の大学等修学奨学金制度の創設について

質問の第5は、大学等修学奨学金の創設についてお尋ねしますが、その前に、当初予算で対象人数を100人としていた大学等進学奨学金について、要件を満たした349人全員に支給することを決定された知事と教育長のご英断に心から敬意を表します。

さて、生活困難層の子どもの大学進学を支援する制度については、国が2020年度の入学生から国立大学の入学金及び授業料相当分の全額あるいは一部免除と給付型奨学金の拡充を決定しています。しかし、奨学金支給額は検討中とのことであり、すべての子どもが進学の夢を叶えるには十分な金額とならないことが懸念されます。

そこで、県として、国の奨学金に上乗せする毎月支給の給付型大学等修学奨学金制度を創設すべきだと考えますが、環境県民局長にご所見をお尋ねいたします。

高等教育の負担軽減につきましては、国において、平成29年12月に閣議決定された「新しい経済政策パッケージ」で示された「高等教育の無償化」実現のため、授業料の減免及び給付型奨学金の支援対象者と支援額の大幅な拡充について検討が進められております。

【環境県民局長答弁】
高等教育の負担軽減につきましては、国において、平成29年12月に閣議決定された「新しい経済政策パッケージ」で示された「高等教育の無償化」実現のため、授業料の減免及び給付型奨学金の支援対象者と支援額の大幅な拡充について検討が進められております。

このうち、給付型奨学金につきましては、具体的な支給額は明らかになっておりませんが、「学生が学業に専念するため、学生生活を送るのに必要な生活費を賄えるよう措置を講じる」とされていることから、相応の支給額が示されるものと考えており、引き続き、国の動向を注視するとともに、全国公立大学設置団体協議会などを通じて、相応の支給額が定められるよう国へ働きかけてまいりたいと考えております。

【コメント】
今局長がお答えになった相応な支給額が決定されるということは私もそう期待したいですけれども、実際はなかなかそういかないかもわかりません。生活困難層の子どもの大学進学率が県平均の半分程度というのは、進学しても保護者からの仕送りをしてもらうことが望めず、お金の見通しが立たないので進学を諦めてしまうことが大きな原因です。彼らを支えていくということでは国も県も一体となって、彼らを支援していくということが重要ですから、国の2020年度からの新しい制度の状況を見て県は判断するということは理解できますけれども、その時点で十分な生活費が確保されないというときには、議場におれば、また質問させていただきますので、それを頭において対応していただきたいと思います。
 

6.部落差別の解消に向けた取り組みについて

(1) 部落差別解消法に関わる認識と国に対する働きかけについて

質問の第6は、部落差別の解消に向けた取り組みについてお尋ねします。

一昨年12月16日に「部落差別の解消の推進に関する法律」が施行されました。この法律は自民・公明・民進の3党による議員立法として提案され、共産党を除くすべての会派の賛成によって制定されたものですが、まず、制定に至った背景と制定の意義について知事はどのように認識しておられるのか、お尋ねいたします。

また、第3条で「部落差別の解消に関する施策を講ずる責務を有する」とされている国が、施策の内容や国と地方自治体との役割分担、予算措置などについて未だに具体的な方針を示していないことについてはどのように評価され、国に対してどのような働きかけをしておられるのか、併せてお尋ねいたします。

【知事答弁】
部落差別の解消の推進に関する法律につきましては、現在もなお部落差別が存在し、情報化の進展に伴ってインターネット上で差別を助長するような書き込みがなされるなどの状況変化を背景に、部落差別は許されないものであるとの認識のもと、基本理念を定め、国及び地方公共団体の責務を明らかにするとともに、相談体制の充実等について定める必要があるとの理由から制定されたものと認識しております。

新たに制定されたこの法律につきましては、その中に規定されております、相談体制の充実や教育・啓発、実態調査といった施策に関し、その具体的な内容や、国と地方公共団体との役割分担が不明確であることから、

  • 法律に基づく施策について、その内容や国との役割分担の考え方、スケジュールなどを早急に明らかにすることや、
  • 実効性のある対策を講じること

について、全国知事会を通じて、国へ要望を行っているところでございます。

【コメント】
全国知事会から国へ要望いただいていることは私もお聞きしております。大変ありがたいことだと思います。知事も御承知のように、かつて、同和対策事業特別措置法が制定され、施策もしいしんされた背景には、差別に呻吟している住民の願いをもとに、地方自治体から国に働きかけたことが非常に大きな力になりました。今回のことについては国もまだ十分に方針を示しておりませんから、引き続き、ぜひ強力に要請していただきたいとお願いをしておきたいと思います。
 

(2) インターネット上の差別情報を監視する取り組みについて

次に、一昨年の2月定例会で環境県民局長が「ご提案の内容などを踏まえ、より実効性の高い取り組みとなるよう努めたい」と答弁された課題についてお尋ねします。

まず、インターネット上の差別情報を監視する取り組みです。インターネット上には被差別部落の所在地や被差別部落出身者の苗字の一覧をはじめ、さまざまな差別情報が掲載されており、これを放置すれば、インターネットが極めて危険な凶器となります。

そのため、インターネット上の掲示板を検索し、差別情報の削除を首長名で要請する自治体の取り組みが各地でおこなわれていますが、これは1人でも多くの人が携わることによってより大きな成果を上げることができます。

そこで、県においても同様の取り組みを実施すべきだと考えますが、環境県民局長のご所見をお尋ねいたします。

【県境県民局長答弁】
インターネット上の差別情報につきましては、市町や関係機関等からの情報提供や随時検索などに基づき、差別情報を把握した際には、速やかに広島法務局へ削除要請を行ってきており、引き続き、削除されるまで確認するなど、広島法務局と連携して対応することとしております。

また、県と市町とで構成する監視班によって、インターネット上の掲示板を検索し削除要請を行っている他県のケースにおいても、ネット上の情報が膨大に存在すること、海外プロバイダを介した極めて悪質な事案が存在することなどから、自治体単位での監視には限界があるとうかがっており、国による全国的な取組が必要であることから、全国知事会を通じて、早急に実効性のある人権救済措置を確立するよう、要望しているところでございます。

【コメント】
今局長おっしゃったとおりであります。差別情報は本当に様々な掲示板にあふれておりまして、これを捕捉するのは本当に大変です。福山市でやっておられることも大変な作業になっております。いま申し上げた取り組みを県内では福山市や竹原市が実施しています。ぜひ県内のほかの市町に県から呼びかけていただくというのが一つと、それぞれが役割分担をしてなるべくたくさん捕捉をするという取り組みをやっていただきたいと思います。新年度に向けてはそのことを是非検討していただきたいとお願いをしておきます。
 

(3) 職業安定法や労働基準法等に関する学習教材の作成について

次に、職業安定法や労働基準法等に関する学習教材の作成について商工労働局長にお尋ねします。

1999年12月施行の労働省告示第141号には、社会的差別の原因となるおそれのある事項、思想及び信条、労働組合への加入状況について求職者等の個人情報を収集してはならないと明記されていますが、全国の労働局には毎年、違反行為の発生が報告されています。

また、最低賃金以下で働かせたり、残業手当をまともに支給しない悪質な事業所の存在も報じられています。
このような不正行為を根絶するには、事業所に対する指導の徹底と併せて、自分の身は自分で守るという求職者や労働者の権利意識を高める取り組みも不可欠です。

そこで、中高校生から社会人まで、職業安定法や労働基準法等について学ぶことができる教材を作成すべきだと考えますが、ご所見をお尋ねいたします。

【商工労働局長答弁】
労働トラブルを未然に防止するとともに、安心して働くためには、学生や社会人が労働関係法令の基礎知識や労働者の権利等について学ぶことは重要であると認識しております。

そのため、県といたしましては、誰にでも分かりやすく学んでいただくため、国が作成した教材である、

  • ハンドブック「まんが知って役立つ労働法Q&A」
  • e-ラーニングで学べる「今日から使える労働法」
  • ハンドブック「働くときに必要な基礎知識」

などの積極的な活用に取り組んでいるところでございます。

具体的には、雇用労働情報サイトや、就職応援サイト “Go!ひろしま”のメルマガ等を通じまして、学生や社会人に対して情報発信するとともに、高校生を対象とした就職ガイダンスなどにおいて、教育委員会等と連携しながら、労働関係法令の講座を開催するなど、高校や大学の早い段階から働くことのルール等の理解を深める取組を進めているところでございます。

また、国におきましては、要望のある中学校に対し職員を派遣して、「まんが知って役立つ労働法Q&A」など、労働法関係の教材を活用した出前授業を開催するなど、周知を図っているところでございます。

今後とも、国や関係機関と連携しつつ、これら教材を最大限活用しながら、あらゆる機会を捉えて、労働関係法令の周知・啓発を積極的に取り組んでまいりたいと考えております。

【コメント】
今局長がお答えになった中身については私も承知しております。しかし特に、採用選考を受ける立場は弱いんです。収集が禁止されている個人情報について面接で聞かれても「答えんかったら採用されんなあ」という思いからつい答えてしまう。まして、様々な学習教材がありますけれども、実際にそれが全ての学校でどの程度活用されているかは別問題であります。ですから、労働関係法令について知らない、学んだことがない子供たちは答えてしまうという問題もあります。中身をきちんと徹底していただくということが非常に大事ですから、現在も取り組んでいただいているということは承知していますが、ぜひ、教育委員会と連携してその面については強化をしていただきたいということをお願いしておきます。
 

(4) 学校における効果的な部落問題学習の実施について

最後に、学校における効果的な部落問題学習の実施についてお尋ねしますので、教育長は答弁待機席へお願いいたします。

さて、福山市は7~8年ごとに部落問題に関する市民意識調査を実施していますが、直近の2回の調査から重要な課題が明らかになりました。それは「今も部落差別があると思うか」という問いに「ある」と答えた20歳代の人が2003年は76%であったのに対して2010年には40%を切り、ほぼ半減したという問題です。2010年に20歳代だった人は、学校における部落問題学習がほとんど実施されなくなった時期に中学校や高校に在籍していた世代であり、この調査結果は、きちんと学習しなければ差別の存在に気付く力も養うことができないことを物語っています。つまり、すべての学校で、差別に気付き、差別を許さない感性と認識を育てる効果的な部落問題学習を実施する必要があるということです。

そこで、教育委員会としてどのように取り組んでいこうと考えておられるのか、お尋ねいたします。

【教育長答弁】
人権教育の推進に当たりましては、自分を大切にし、他人を大切にして、共に生きていくという人権尊重の理念について、児童生徒の理解を深めていくことが重要でございます。

このため、関連する教科等において、部落差別の問題をはじめとする個別の人権課題に係る指導をより効果的に行えるよう、現在、「教科を通じた人権教育の推進に向けた学習指導案集」を作成しているところであり、年度内には、各学校及び各市町教育委員会に通知するとともに、ホームページで公開することとしております。

今後は各学校において、この学習指導案集を活用して、個別の人権課題に対する指導を一層充実させてまいります。
 

(6)人権問題の学習において重要なことについて

今指導案を作っていただいているというのは私も承知しております。いいものができると期待したいと思いますけれども、部落差別だけでなく、あらゆる人権問題の学習で重要なことは、いま現在どんな差別があるのか、差別を受ける当事者はどういう思いをしているのかという具体的な事実を通して、差別をなくすにはどんな対策が必要で、自分は何をすべきなのか、何ができるのかと考えることであり、これこそ、教育委員会が提唱している「課題発見・解決学習」の見本だと思っております。今、準備していただいている指導案が残念ながら歴史的なことを学ぶとなっていますので、現在の差別についてどんなふうに指導するのか、これについてどうお考えか尋ねしたいと思います。

【教育長答弁】
国の人権教育の指導方法等に関する調査研究会議が示している「第三次とりまとめ」におきましては、「児童生徒が障害者施設や高齢者施設等の施設を直接訪問して様々な人と交流したり、ボランティア活動を体験したりするなどの学習活動は、広く取り組まれ、人権感覚の育成に効果を上げている」と示されております。また、こういった活動を通じて、児童生徒が身の回りの様々な問題について課題意識を持ち、解決に向けてその方法を主体的に考えていくことは重要であると考えております。

【コメント】
先ほどインターネットのところで環境県民局長にご質問しましたけれども、今はインターネットで被差別部落の出身者の身元が暴かれるという時代です。ですから私の自分の地区の若い世代の親と勉強会をしていますけれども、どの親も一番悩んでいるのはわが子に部落の子どもだということをどういう風に教えるかという問題です。今、残念ながら学校では部落問題の学習はなかなかできておりません。その中で孤立していく我が子をどんなふうにして支えるか、本当にみんな涙を流しながらこのことには悩んでいます。ですから、ぜひ、これに応えられるような教育内容をつくっていただきますようにお願いします。

以上で私の質問は終わりますが、冒頭申しましたように誰一人置いてきぼりにしない県政を名実ともに実現していくために知事を初め執行部の皆さんにますますのご尽力をいただきますように申し上げまして終わります。

ありがとうございした。

広島県議会議員 山下 ますみ
福山市選挙区広島県議会議員 山下 真澄 (やました ますみ)
hiroshimakengikai@yamashita-masumi.com
選挙区 福山市
会派 広島県議会民主県政会
期数 2
生年月日 昭和24年9月19日
常任委員会 総務委員会
特別委員会 少子化・次世代育成対策特別委員会
山下ますみ 一問一答
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